結論:派遣社員の欠勤が多いときは、感情で詰めず「事実確認→派遣会社へ共有→再発防止→更新判断」の順で進めます。現場責任者・受入担当向けに、聞き方テンプレや記録方法、契約判断までを整理し、トラブルを避けつつ稼働を安定させます。

目次
  1. 結論:欠勤が多いときは「事実確認→共有→再発防止→更新判断」の順で進める
  2. 欠勤が多い背景で多いパターン(推測ではなく確認する)
  3. まずやること:欠勤の事実を整える(記録とルール確認)
  4. 本人への確認の仕方:角が立たない聞き方テンプレ
  5. 派遣会社に相談するときのポイント(伝える内容と期待値)
  6. 改善しない場合:契約更新・終了を判断するチェックリスト
  7. 欠勤ケース別:現場で起きがちな例と、過度に揉めない打ち手
  8. 派遣社員本人向け:欠勤が続くときに損しない立て直し方
  9. よくある質問
  10. 元 派遣社員からのホンネ

結論:欠勤が多いときは「事実確認→共有→再発防止→更新判断」の順で進める

欠勤が続くと、現場は焦って「理由をはっきりさせたい」「改善しないなら交代してほしい」と考えがちです。しかし派遣では、就業先が直接できること・すべきことに線引きがあります。最も安全で効果が出やすいのは、事実を整え、派遣会社と連携し、合意した再発防止策を運用し、それでも難しければ更新判断へという順番です。

感情で詰めない・決めつけない

欠勤の背景は、体調・家庭・通勤・職場環境など多様です。原因を推測して叱責すると、関係悪化やハラスメント懸念につながります。まずは「起きている事実」と「業務影響」を整理し、必要最小限の確認に留めます。

窓口は本人だけでなく派遣会社

派遣社員の雇用主は派遣会社です。就業先が本人に直接強い圧力をかけたり、処分めいた示唆をしたりすると、トラブルの火種になります。調整・改善の主導は派遣会社と二人三脚で行い、面談も可能なら同席を依頼します。

対応のゴールを先に定義する(安定稼働/配置転換/終了)

欠勤対応は「出勤してもらう」だけがゴールではありません。現実的には次のいずれかを早めに言語化し、派遣会社と同じ絵を持つのが重要です。

  • 安定稼働:欠勤が減り、現場の運用に乗る
  • 配置転換・業務変更:業務量や通勤等のミスマッチを調整して継続
  • 契約終了(更新しない等):改善が難しく、現場リスクが高い

関連記事:派遣社員の勤怠管理で押さえるべきポイント(連絡ルール・記録の残し方を補足)

欠勤が多い背景で多いパターン(推測ではなく確認する)

同じ「欠勤が多い」でも、打ち手は原因で変わります。ここでは典型パターンを挙げますが、決めつけずに確認し、必要なら派遣会社経由で情報を整理します。

体調不良・通院(メンタル含む)

一時的な体調不良もあれば、通院が継続して必要なケースもあります。大切なのは、病名を聞き出すことではなく、出勤見込み(いつから・どの程度)と配慮の要否を把握して業務を組み替えることです。

  • 朝に症状が強く遅刻・欠勤が発生しやすい
  • 通院日が固定で、特定曜日に休みが必要
  • 疲労蓄積で欠勤が増える(業務量・残業との相性)

家庭事情・育児介護・突発対応

家庭都合は突発性が高く、連絡が直前になりがちです。就業先としては、事情の詳細を詮索するより、連絡ルールと代替手順を整える方が再発防止につながります。

通勤/シフト/業務負荷のミスマッチ

「想定より遠い」「乗り換えが厳しい」「早番が続くと体力的に無理」「繁忙の山が想像以上」など、条件面のミスマッチが欠勤として表面化することがあります。本人が言い出しにくい場合もあるため、派遣会社に状況確認を依頼すると整理しやすいです。

職場環境(人間関係・指示不明確・ハラスメント懸念)

欠勤が増える背景に、指示が曖昧で不安が強い、叱責が強い、周囲との摩擦がある等の環境要因が隠れている場合もあります。ここは特に、推測で犯人探しをしないことが重要です。相談窓口や派遣会社を通じて、事実ベースで状況を把握します。

関連記事:職場のハラスメント相談窓口の作り方(欠勤理由に環境要因がある場合に)
メンタル不調のサインと職場対応(踏み込みすぎない配慮の範囲)

まずやること:欠勤の事実を整える(記録とルール確認)

派遣社員の欠勤対応は、後から「言った/聞いてない」になりやすい領域です。最初に記録とルールを整えるだけで、派遣会社との調整がスムーズになり、更新判断の根拠も作れます。

欠勤・遅刻・早退の記録(日時・連絡経路・理由の範囲)

記録は「人格評価」ではなく、事実に限定します。おすすめの項目は次の通りです。

  • 日時(欠勤/遅刻/早退)
  • 連絡の有無、連絡手段(電話・メール等)
  • 連絡が入った時刻(締切に対して間に合ったか)
  • 本人が述べた理由(必要最小限の表現で。詳細推測は書かない)
  • 業務影響(代替対応、遅延、品質影響の有無など)

「いつもだらしない」などの主観は残さず、「当日9:10に連絡、始業9:00に間に合わず」など、あとから確認できる形にします。

就業先ルール(連絡先、締切、診断書扱い等)の確認

自社・現場のルール(始業前連絡の締切、一次連絡先、緊急時の代替連絡先など)を改めて確認し、派遣社員にも派遣会社にも同じ内容で共有します。診断書等の扱いは運用が分かれるため、現場判断で即答せず派遣会社とすり合わせるのが安全です。

業務影響の可視化(代替要員・引継ぎ・納期)

欠勤そのものより、現場が困るのは「誰が何をいつまでにやるか」が崩れることです。派遣会社へ相談する際は、欠勤日数の多寡だけでなく、次をセットで伝えると話が早く進みます。

  • 欠勤で止まった業務(具体的タスク)
  • 代替に必要なスキル(誰でも可/経験者のみ等)
  • 納期や品質への影響(遅延リスクの有無)
  • 属人化ポイント(本人しか分からない作業があるか)

個人情報に踏み込みすぎない線引き

体調や家庭事情などはセンシティブ情報です。本人が自発的に話した場合でも、取り扱いは最小限にし、共有範囲も必要な人に限定します。現場では「業務調整に必要な情報」に絞り、詳細は派遣会社から必要に応じて確認してもらう運用が無難です。

関連記事:派遣会社とのトラブルを避けるコミュニケーション術(窓口整理と共有テンプレ)

本人への確認の仕方:角が立たない聞き方テンプレ

本人への確認は、目的を「責める」ではなく安定稼働のための調整に置くと、角が立ちにくくなります。面談は短時間で、事実と今後に焦点を当てます。

事実ベースで伝える(頻度・影響)

まずは、現場が把握している事実と影響を落ち着いて共有します。

  • 「直近で欠勤(遅刻・早退)が続いており、業務の引継ぎや納期調整が必要になっています」
  • 「連絡のタイミングが日によって違うので、連絡ルールをそろえたいです」

質問は「今後の見通し」と「必要な配慮」に絞る

聞くべきは病名や私生活の詳細ではなく、出勤の見通しと配慮事項です。使える質問例を挙げます。

  • 「今後1〜2週間の出勤見込みはどうでしょうか(出勤できそうな日・難しそうな日)」
  • 「勤務を安定させるために、時間帯や業務内容で調整した方がよい点はありますか」
  • 「連絡は誰に、何時までに、どの手段なら確実にできますか」

必要なら面談同席を派遣会社に依頼

欠勤理由が複雑そう、本人が言いづらそう、現場側も言い方に迷う、といった場合は、派遣会社の同席を依頼すると誤解が減ります。就業先が単独で踏み込みすぎるのを防ぐ効果もあります。

やってはいけない言い方(詰問・病名強要・脅し)

  • 「本当の理由を言え」「病名を言え」などの強要
  • 「休むなら契約を切る」など、処分を匂わせる脅し
  • 人前での指摘、晒し、強い叱責(ハラスメント懸念)
  • 「怠け」など人格評価の決めつけ

注意や要望を伝える場合も、連絡ルール・業務上の必要性に紐づけて淡々と行います。

面談テンプレ(現場→本人)

  • 目的:欠勤が続いているため、業務調整と再発防止の相談
  • 事実共有:(例)今月の欠勤○回、遅刻○回/連絡が始業後になった日がある
  • 影響:引継ぎ・納期・受電体制などに影響
  • 質問:今後の出勤見通し/必要な配慮(時間・業務範囲・通院等)/連絡手段と締切
  • 合意:連絡ルール、当面の業務優先順位、必要なら派遣会社同席で再調整
  • 次回確認:いつまでに状況を見直すか(例:1週間後に再面談)

派遣会社に相談するときのポイント(伝える内容と期待値)

派遣会社への相談は、「交代してほしい」か「継続したい」かに関わらず、事実・影響・現場の受入条件をセットにするのがコツです。派遣会社も動きやすくなります。

共有すべき情報:欠勤状況、業務影響、現場の受入条件

  • 欠勤状況:いつ・どの程度・連絡は適切か
  • 業務影響:止まる業務、納期、代替の難しさ
  • 現場の受入条件:必須スキル、勤務時間、出社頻度、引継ぎ可能期間など

「困っている」だけだと調整が進みにくいため、「何ができれば継続可能か」を言語化します。

派遣会社側の動き:本人確認、配置転換提案、交代要員検討

派遣会社は、本人からの事情聴取や就業継続意思の確認、必要に応じた配置転換・交代要員の提案などを行います。就業先は、派遣会社に丸投げするのではなく、現場として許容できる運用案(例:当面は定型業務に寄せる、時間帯を固定する等)を提示すると前に進みます。

改善プランの合意:連絡ルール、勤務調整、業務範囲見直し

改善策は、口約束だと崩れやすいので、派遣会社を交えて合意し、運用を決めます。

  • 連絡:連絡先、締切(始業前など)、手段、連絡が難しい場合の代替手段
  • 勤務:シフト・時間帯・残業可否、通院等の配慮(必要範囲)
  • 業務:優先順位、属人化の解消、引継ぎの進め方

連絡頻度と窓口を固定して混乱を防ぐ

現場側の窓口(例:受入担当)と派遣会社側の窓口(担当営業等)を固定し、連絡頻度(例:週1回の状況確認)を決めると、情報が散らばりません。欠勤が続く局面ほど、窓口の一本化が効きます。

面談テンプレ(現場→派遣会社)

  • 件名:勤怠不安定に関する状況共有と対応相談
  • 事実:欠勤・遅刻・早退の記録(日時、連絡有無、連絡時刻)
  • 業務影響:止まっている業務、納期・品質リスク、代替の難易度
  • 現場の希望:継続可否の条件(例:連絡厳守、当面の業務範囲調整)
  • 依頼:本人への状況確認、改善プラン提案、必要なら交代要員検討
  • 次アクション:三者面談可否、次回確認日

改善しない場合:契約更新・終了を判断するチェックリスト

改善策を試しても欠勤が続く場合、現場は安全・品質・納期の観点で判断が必要になります。ただし、更新拒否等の法的評価は個別性が高いため、ここでは断定せず、判断材料の整備に焦点を当てます。最終判断は派遣会社や社内の法務・人事と連携してください。

再発防止策が守られているか(連絡・出勤見込み)

  • 決めた連絡先・締切・手段が守られているか
  • 出勤見込みの共有があり、現場が計画できる状態か
  • 改善に向けた本人・派遣会社の取り組みが継続しているか

安全・品質・納期へのリスク

  • 一人欠けると止まる工程になっていないか
  • ミス・事故のリスク(疲労、引継ぎ不足等)が増えていないか
  • 顧客対応や納期に恒常的な遅れが出る恐れがあるか

職場側に改善余地がないか(業務量/指示/席配置)

欠勤を本人要因だけで片付ける前に、受入側の改善余地も点検します。たとえば、指示が人によって変わる、優先順位が曖昧、相談先が不明確、といった状態は欠勤の引き金になり得ます。環境要因が疑われるときは、事実ベースで運用改善を検討します。

更新しない場合の進め方(派遣会社主導で調整)

更新しない/終了調整に進む場合は、就業先が本人へ直接「辞めてほしい」と迫るのではなく、派遣会社主導で手続・説明が進む形に寄せます。就業先は、事実記録と業務影響、改善機会の提供状況などを整理し、適正手続の確認を行います。

関連記事:契約更新しない場合の進め方(派遣)(現場判断の前に確認する項目)

欠勤ケース別:現場で起きがちな例と、過度に揉めない打ち手

ここでは、断定を避けつつ「よくある形」を例示します。大事なのは、例に当てはめることではなく、本人・派遣会社と確認しながら調整することです。

例1:体調が不安定で当日朝の欠勤が続く

  • 起きがち:始業直前の連絡、引継ぎが間に合わない
  • 打ち手:連絡締切を明確化/午前は代替しやすい業務へ寄せる/出勤見込みの共有頻度を上げる(派遣会社同席で合意)
  • 注意:病名の詮索より、勤務設計(時間帯・業務量)に落とす

例2:家庭都合で突発の欠勤が発生する

  • 起きがち:急な休みで受電・受付・締切業務が詰まる
  • 打ち手:タスク分割(短時間で代替できる形に)/手順書化/「欠勤時に誰が何を引き取るか」を決める
  • 注意:詳細事情を根掘り葉掘り聞かず、運用で吸収する

例3:業務が重く、欠勤前に遅刻・早退が増える

  • 起きがち:繁忙期に欠勤が集中、ミスや手戻りも増える
  • 打ち手:業務範囲の見直し(優先順位を絞る)/相談導線の明確化/派遣会社へ早期相談し、配置転換も含めて検討
  • 注意:「根性論」で押さない。安全配慮と品質確保の観点で調整する

関連記事:業務の属人化を防ぐ引継ぎのコツ(欠勤リスクを下げる仕組み)

派遣社員本人向け:欠勤が続くときに損しない立て直し方

ここからは派遣社員本人向けです。欠勤が続くと「言いづらい」「評価が下がる」と感じますが、連絡と相談の仕方次第で、不要な摩擦を減らし、働き方の立て直しができます。

連絡は早く・短く・事実だけ(見込みも添える)

連絡の要点は「欠勤(遅刻)の事実」「開始時刻の見込み」「連絡先に沿っているか」です。理由は必要最小限で構いません。

  • 「本日体調不良のため欠勤します。明日は出勤予定ですが、状況が変われば本日中に連絡します。」
  • 「電車遅延で10分遅れます。到着見込みは9:10です。」

通院・家庭事情は『必要な範囲』で相談する

詳細を話す義務は基本的にありません。就業継続のために必要な範囲(例:通院で特定曜日の午前が難しい等)に絞って派遣会社へ相談すると、勤務調整につながりやすくなります。

業務が重い/合わないときは派遣会社に先に伝える

就業先に直接言いにくい場合は、派遣会社が間に入る方が調整しやすいことがあります。「この作業は未経験で時間がかかる」「問い合わせ対応が続くと体力的に厳しい」など、困りごとを具体化して伝えると、業務範囲の見直しや配置転換の提案につながります。

無理を続けるより配置変更・契約見直しも選択肢

欠勤が続く背景に、体調や生活事情、業務ミスマッチがあるなら、無理に抱え込むほど悪化しやすくなります。派遣会社と相談し、配置変更や契約の見直しを含めて、現実的な着地点を探すことが「損しない」選択になり得ます。

よくある質問

派遣社員の欠勤が多いとき、会社(就業先)は直接注意していい?
基本は事実確認としての面談は可ですが、指揮命令の範囲を超える叱責や処分示唆は避け、派遣会社と同席・共有して進めるのが安全です。
欠勤理由をどこまで聞いていい?
業務調整に必要な範囲(出勤見込み、配慮要否)に限定が無難。病名や詳細事情の強要は避け、派遣会社経由で確認する方法もあります。
診断書を求めてもいい?
就業先ルールや派遣会社の運用によります。必要性と目的(勤務調整等)を明確にし、本人の負担やプライバシーに配慮して派遣会社と相談します。
契約更新しないのは違法にならない?
個別事情で変わります。欠勤の事実、業務影響、改善の機会提供、手続の適正さが重要。断定せず派遣会社・法務担当と確認してください。
欠勤が多い派遣社員への引継ぎや代替はどうする?
属人化を避け、手順書化・共有フォルダ化、短時間で引継げるタスク分割が有効。代替要員の相談は派遣会社に早めに行います。

元 派遣社員からのホンネ

派遣社員として働いている人にはいろいろな背景があると思います。その中でも、「正社員としてはたらくのはシンドイ」から派遣でいるのかな・・と感じる方が多いという印象です。
なのであまり色々と求めすぎず、契約で決めた業務をこなしてくれていればオッケー!くらいな気持ちで一緒にお仕事をしていくとお互いにハッピーだと思います!